記事: ヴィンテージTシャツについて
ヴィンテージTシャツについて
昨今賑わいを見せている
「ヴィンテージTシャツ」の買取や販売について書き記そうと思います。
テレビ番組でも大きく取り上げられ、話題にもなりました「ヴィンテージTシャツ」。
あの人気バンドのTシャツが数百万!と、驚いた方も多かったのではないかと思います。
常に服と共に、所謂相場や流行り廃りを調査している身ではありますが、
ここ最近の高騰は皆様と同様に驚いています。
自身もロックやパンクを聴き
漫画やアニメに没頭し
エヴァンゲリオンを理解したふりを興じながら
アーティストの真似事の様な服に身を包み、その行動だけで楽しかった時代がありました。
まさか90年代がヴィンテージ扱いをされ
まさか00'sの様な言葉も生まれ
まさか自分たちが愛してやまなかったアーティストや漫画作品・アニメ作品のTシャツが
ここまで価値を見出すとは思ってもみなかったものです。
さて、ヴィンテージTシャツに関して
この先の買取ですが
結論から言うと「どんどん難しくなっていく」と感じています。
作りが旧式である事で耐久性の問題もさることながら
贋作を作る事も容易である為、本物であっても買取に対してのリスクが年々高まってきています。
「それを鑑定するのが仕事じゃないの?」
という意見はごもっともで、我々の様なお店は常に贋作と向き合い、
いかに買い取らないかというリスクヘッジも大切です。
ただ、贋作そのものが脅威というよりも(真贋の見極めが脅威というよりも)
贋作が多すぎる事で本物の価値まで低下していく
という現象も今まで幾度となく経験してきました。
オリジナルの価値が高い事で贋作を作る業者が生まれる
皮肉にも贋作を作り続けることで
オリジナルの価値も下がり、最終的には淘汰されてゆく・・・・
本末転倒とはこの事です。
もちろん、オリジナルの価値を下げる事も無く
年々価値を高めていくものは数多く存在します。
ただ、この様な業界を生業としている身としては
「本物」を残すことに意義を感じているので
贋作は無くなってほしいものです。
切に願っております。
さて、脱線しましたが
ヴィンテージTシャツは今後更に人気が飛躍していく事かと思われます。
ファッションシーンに変化があっても
Tシャツそのものは
今後も根強く残り続けるのではないでしょうか。
否、残さなくてはなりませんよね。
あの頃の一点物を次世代に橋渡しする。
そんな弊社のコンセプトをもってして
今後どのように取り扱ってくべきか。しっかり悩んでおこうと思います。
1ten 店主 釘田